切手でトリビア

優しい微笑みをなげかける、この美人看護婦のモデルは誰だろう…?


「日本赤十字社創立75年」

【1952(昭和27)年5月1日発行】
 

日本赤十字社創立75年」記念切手

あまりに魅力的な「日本赤十字社創立75年」記念切手は、発行から50年以上の間、収集家諸氏の想像力をかきたててきました。

ドイツ型美人と称された三宅邦子、昭和の映画を代表する原 節子、早世した桑野通子…といった往年の美人女優の名が、モデルとして噂されています。

原画を描いたのは、日本洋画界の重鎮・宮本三郎でした。
看護婦の制服については、日赤提供の写真(下)を資料として用いたようです。

日本赤十字看護婦制服

宮本画伯のご遺族の話では、1930年代ならば、上記の女優さんたちがモデルとして、よくアトリエを訪れていたそうですが、この原画が描かれた年代(1952年)を考えると、女優モデル説にはやや無理があるのかも…。

でも、神秘のヴェールに包まれれば包まれるほど、その微笑みはより謎めき、より魅惑的なものに思えてくるのです。
桑野通子 (左)モデルに噂された一人、女優の桑野通子の古い絵はがき。
 抜群のプロポーションと明るい笑顔で、戦前の銀幕を華やかに彩りました。 


(右)宮本画伯が切手原画を描く際に、実際に参考にしたと考えられる当時の「日本赤十字看護婦制服」の写真。 (資料提供:日本赤十字社『日本の赤十字』より)
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赤十字・共同募金2種完

【1948年10月1日発行】

補足トリビア

まるでフランス人形? 不評だった看護婦さん

赤十字・共同募金2種完
同じ日赤の看護婦さんでも、丸ポチャの純日本美人と絶賛された「日本赤十字社創立75年」切手と対照的に、かわいそうなほど不人気だったのが「赤十字・共同募金」切手です。

“何國人?”“フランス人形のよう”と、当時の収集家は辛口。切手の世界でも、美人は得をするようです。
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