転写 【てんしゃ】
@平板での転写:原版の非画線部は水によくぬれてインキを受けつけないような処理をし、全面を水でぬらすと水は
画線部ではじかれて非画線部だけをぬらす。
この状態で、インキをつけたローラーを版の全面に転がすと、インキは画線部だけにつく。
この上に転写紙を重ねて、インキを転写紙に写す。
この操作をくりかえして、いく枚ものインキ模様のついた転写紙を作り、それを台紙の上に並べ、これを大きな亜鉛版の上にかぶせ、
台紙をはがし、転写紙を水でぬらし、そして転写紙をはがすと、転写平版ができる。
A彫刻凹版での転写:鋼原版(図案は凹)を焼き入れして硬くし、この上へ焼き入れしでいない軟鋼ロールを加圧しながら何回も転がすと、
原版の凹凸が逆になって鋼ロールに移る(図案は凸)、つまり転写される。
このようにして作った鋼ロールを焼き入れをして硬くし、それを黄銅版などの上に加圧しながら 転がすと、鋼ロールの凹凸がふたたび逆になり
黄銅版に移る(図案は凹)。これは切手1枚分なので、順に必要面分だけ黄銅版上に転写することによって、実用版が完成する。⇒転写ロール
Bグラビアでの転写:鉄製の中空の円筒の上に厚く銅メッキをしてみがき上げたグラビア・シリンダーポジとスクリーンを焼きつけたカーボン・ティッシュを
貼りつける操作。⇒コンベンショナル・グラビア