世界切手国めぐり
ソロモン諸島

●…《環太平洋造山帯》の島国 オーストラリアの北方1000kmほどの南太平洋に浮かぶ一連の島々がメラネシアンの国ソロモン諸島。1978年に英連邦の一員として独立しました。 ソロモン諸島は日本と同様火山国。1939年の《地理シリーズ》には、サンタクルス諸島にある噴火中のティナクラ火山が描かれています。 世界地図をみるとすぐ気付くことですが、太平洋を取巻くように高い山脈が連なっています。南北アメリカ大陸のロッキーやアンデスの山々は、 やがて南極大陸に達し、その後、ニュージーランドを経てソロモン諸島にあらわれます。さらにインドネシアやフィリピンを通って日本列島にも及びます。 地理学者が《環太平洋造山帯》と呼ぶもので、ほぼ同時期にできた新しい山々。日本列島とソロモン諸島は、自然地理的には兄弟関係にあると言えそうです。 ●…太平洋戦争の激戦地 おもに米国や英国を相手に戦った太平洋戦争中、日本軍は当時、英国の支配下にあったメラネシアの島々を占領していきます。 しかしそこは日本から数千キロも離れたところ。どうしても軍需物資の輸送が滞りがちとなります。もともと日本の国力を無視した無謀な作戦だったのです。 アメリカ軍が体勢を建て直して反撃に移りはじめると、日本軍は守勢にまわることになります。 ソロモン諸島南部のガダルカナル島に日本軍が空軍基地を建設すると間もなく米軍が上陸。基地を奪われてしまいます。日本軍は背後のジャングルに退き、 その奪回を図りますが、米軍の圧倒的な火力の前に叶わず、新たな増援部隊も武器弾薬と共に極度の食糧不足によって、悲惨な戦いを強いられることになりました。 ただ、全滅だけはさけられ、生き残った派遣部隊が夜陰に乗じて秘かに島から撤退できたのは僅かな救いでした。こうした戦史の一部は、ソロモン諸島の切手に描かれています。 ●…進む国づくり 太平洋戦争中、ソロモン諸島に侵攻した日本軍が闘ったのは英軍であり、その支援に上陸した米軍でした。 そのためもあって、昔からこの地に住むメラネシアンはむしろ親日的です。戦後、日本は、この新しいメラネシアンの国づくりにいろいろな面で協力してきました。 とくに遠洋漁業の発展のためには、単に経済援助ばかりでなく、技術指導にも力を貸しています。 ●…切手の特色 ソロモン諸島の一番切手は1907年。伝統的な戦闘用のカヌーが描かれています。その後、1939年にジョージ6世の肖像の入った《地理シリーズ》があらわれ、 はじめて島々の自然や人々の生活様式が体系的に紹介されました。 太平洋戦争の激戦地の跡や激戦を回顧する切手が何回か発行されているのもこの国の一つの特色でしょう。 また、最近は珍しい伝統文化や熱帯の海の生物がよく紹介されるようになりました。最近の発行政策はやや積極的ですが、 そのほとんどが、この国と直接かかわるテーマに限られています。 ヘンダーソン飛行場と首都ホニアラ 第二次大戦前まで、ソロモン諸島を統治していた英国の政庁は、ガダルカナル島の遙か東方にあるフロリダ諸島のツラギにあった。 一方、ガダルカナル島は、ほとんど全島がジャングルに被われた未開発の島であり、メラネシアンの小集落がいくつかみられるに過ぎなかった。 日本軍が建設した飛行場は、その後ヘンダーソン飛行場と呼ばれ、切手でも紹介されている。現在この飛行場は拡張整備され、 国際空港となった。さらに、かつての米軍基地付近はジャングルが伐り開かれ、 あたかも城下町≠フように人々が集まり、ソロモン諸島随一の近代都市が形成された。これが現在、首都となっているホニアラである。 |
||||
|
||||
|
||||
![]() |
||||
貝 低額11種 |
||||
![]() |
||||
商品の在庫によっては、検索結果がでないことがあります | ||||
この記事が掲載されている本はこちらです |