世界切手国めぐり
クック諸島

サモア諸島の南東に点在する南太平洋の小さな島々がクック諸島。総面積240ku、人口もわずか2万ほど。1770年代にクックが訪れたのを記念して名付けられました。その頃の島民は伝統的な神々を信じ、大胆な航海もいとわぬ勇壮なポリネシアンでした。 クックの後にやってきたのはキリスト教の宣教師たち。彼らは島の神々を邪神として排し、強引にキリスト教化を進めます。異常なまでに禁欲を説き、一時は島民の“風紀の乱れ”を正すためとして、ダンスや夜間の外出まで禁じたほどです。 宣教師の支配下で、島民たちは伝統的な信仰とともに、独自の生活文化も破壊されたのでした。そう言えば、こうした宣教師の所業を皮肉な目で描いたモームの短編「雨」の舞台は、近くの東サモアの港町です。 サンゴ礁の小島が多いなかで、主島のラロトンガ島は緑濃い古い火山島。ここでは1919年から約10年間、独自の切手が発行され、他の島々でも使用されました。ちなみにクック諸島の共通切手は1892年から発行されています。一方、アイツタキやペンリン環礁でも、独自の切手が発行され、1930年代の中断後、1970年頃から復活しました。 これらの島々は、1901年に英領からニュージーランド領になります。近隣の島々が次々と独立を目指す1960年代になると、クック諸島の人々も次第に政治に目覚め、1965年には自治政府が発足しました。 観光開発への期待はありますが、コプラ(ココヤシの胚乳を乾燥したもの)の採取などのほか、目立った産業のない島々では、ニュージーランドへ移住する若者が多く、日本の離島と同様、過疎に悩む島々も少なくありません。 |
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普通切手/スワローの鳥 田型連刷 |
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スワロー島の鳥。 ブッポウソウ目、スズメ目、ラロトンガカラスモドキ、クックアナツバメ。 スワロー島はクック諸島の北部に属する絶海の孤島。19世紀後半、「宝島」として有名になり冒険者たちがこの島を訪れたが、多くはサメに襲われたり飢えと渇きで命を落とし、結局誰も財宝にたどり着けなかったという逸話をもつ。 現在は無人島。 |
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